経営コンサルタント直伝コラム
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経営コンサルタント直伝!PRストーリーの考え方と作り方(前編)

ブランドとは顧客が持つイメージであるため、PRもブランディングにおいては重要なタスクとなります。
今回は、ブランドを魅力的にPRするための基本的な考え方である「PRストーリー」とその構築方法を3段階でご説明いたします。前編ではまず、「PRストーリー」とは何かをお伝えいたします。


ブランド・ブランディングとPRストーリーの関係

そもそも、ブランドとは「その企業や商品の提供価値や、さまざまな構成要素、コンタクト体験が複合的に結びついて、消費者・顧客の頭の中で作り上げられるイメージ」のことを言います。
また、ブランディングとは「企業や製品・サービスによって提案したいCI(コーポレートアイデンティティ)やブランド独自の価値を魅力的に伝えることで、消費者・顧客にその価値を認知させ、イメージを向上する活動」のことを言います。

ブランドとはあくまで顧客が持つイメージであるため、いかに優れたブランドであっても最終的にそれを発信し、顧客に理解してもらわなければ意味がありません。その点で、多くの顧客にイメージを持ってもらうためのPR活動もブランディングにおいて重要な項目のひとつです。
それでは、自社のブランドを魅力的なものとしてイメージづけるためにはどのようなPRが必要となるのでしょうか。それを検討するための基本的な考え方として、「PRストーリー」をご紹介いたします。

PRストーリーとは

本稿では、PRストーリーを「ブランドの価値に共感を覚える顧客を見定め、最適なメッセージと媒体によって発信するために体系化された導線設計」と定義します。
繰り返しとなりますが、ブランディングにあたって最重要かつ大前提とも言うべき要素のひとつが「顧客視点」です。
「自社のブランド・商品・サービスはこんなに良いものですよ」という一方的なメッセージの発信は、企業側の単なる「都合」に基づくものであり、顧客視点となっていません。
また、ブランドが良いことはどの企業であっても同じであるため、競合との差別化に繋がりません(そもそも、自社の商品・サービスが悪いという企業はありませんよね)。

自社の商品・サービスに価値を感じるターゲットを見定め、そのターゲットがブランドに魅力や共感を感じるメッセージやイメージを構築し、その発信に最適な媒体を選定する。このプロセスを一貫したストーリーのように体系化したものがPRストーリーです。
プロセスそのものはブランディングにも似ていますが、ブランディングでは最終フェーズで検討することとの多いPRを、主要要素として構築段階から組み込んでいる点が異なります。
また、PRのターゲットは、ブランドを選択する消費者だけでなく、一般生活者、株主、取引先、自社社員、あるいは、情報を取り上げるメディア・媒体社に至るまで、自社にまつわる世界・社会に生きる全ての人々が対象となる可能性があります。
この点において、業界・業種に関わらず、PRストーリーはブランディングに関わる全ての人が念頭に置くべき概念のひとつといえます。

中編では、PRストーリーの設計方法についてお伝えいたします!