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ECサイトに必要なSEO対策とは? 今すぐできるおすすめの対策

はじめに

ネットショップ(ECサイト)を成功させるには、検索エンジンで上位に表示され、多くの人に訪れてもらうことが大切です。そのために欠かせないのがSEO対策です。

特に、楽天やAmazonのようなショッピングモールではなく、独自のECサイトを運営している場合、サイトデザインは魅力的でもSEO対策が不十分なケースをよくみかけます。

実際に、「デザインにこだわったのに売上が伸びない」という相談の多くは、SEO対策が十分に行われていないことが原因です。どんなに見た目が良くても、訪問者が少なければ売上にはつながりません。 だからこそ、適切なSEO対策が必要です。

本稿では、「なぜSEO対策が大切なのか」・「すぐに実践できるおすすめのSEO対策」についてわかりやすく解説していきます。

ECサイトになぜSEO対策が必要なのか?

SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで自社のサイトを上位表示させるための施策のことです。

ECサイトでは、多くのユーザーが商品を探す際に検索エンジンを利用するため、SEO対策は集客や売上に大きく影響します。

SEO対策を行うことで、

検索結果の上位に表示され、広告費をかけずに集客できる

サイトの信頼性が向上する

長期的な売上の安定につながる

など、多くのメリットがあります。

リスティング広告とは異なり、SEO対策は継続的に実施することで、安定した集客効果が期待できるので、ECサイト運営において欠かせない施策の一つです。

すぐに実行できるECサイトのSEO対策

ECサイトのSEO対策には、以下の3つのパターンがあります。

①ECサイト全体のSEO対策

 サイト構造の最適化

ディレクトリ構造(URLの階層)を整理すると、SEO評価が向上し、ユーザーも目的のページにたどり着きやすくなります。

☑︎ シンプルでわかりやすいURLにする

× 悪い例: example.com/cat123/prod45678(意味不明な英数字)

○ 良い例 example.com/shoes/sneakers(カテゴリと商品が明確)

意味のない表記(?id=123 など)を避け、「カテゴリ → 商品」のように階層名とリンクさせたURLになるよう工夫しましょう。日本語表記は文字化けする可能性があるため、英語表記が望ましい。

☑︎ クローラー対策として階層をできるだけ浅くする

× 悪い例(深すぎる):
example.com/category/mens/shoes/sneakers/running/adidas/model123

○ 良い例(適切な階層):

example.com/shoes/sneakers/adidas-model123

検索エンジンのクローラーは、サイトを巡回し、検索順位を決める要素を収集します。しかし、サイトの階層が深すぎるとクローラーが回りづらくなり、Googleの検索結果に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、サイトの階層は3~4階層以内に収めるのが理想的です。

☑︎パンくずリスト」でナビゲーション強化

「ホーム > シューズ> スニーカー」などのパンくずリストを設置すると、ユーザーは自分の位置を把握しやすく、必要な情報を見つけやすくなります。また、構造化されたパンくずリストはクローラーのサイト理解を助け、インデックスの高速化にも貢献します。

モバイルフレンドリー対応

パソコン向けのレイアウトやデザインをそのまま使用すると、モバイル端末のユーザーは操作が難しくなり、離脱してしまうリスクが高まります。そのため、モバイル端末に適したウェブサイトの設計が必要です。最近ではほとんどのサイトがモバイルフレンドリーに対応していますが、未対応の場合は早急な改善が求められます。

ページの表示速度改善

表示速度が1秒遅れるだけで、ユーザーが離れてしまうリスクが高まります。また、サイトの表示速度は、ユーザーの満足度だけでなく、検索エンジンの順位にも大きな影響を及ぼします。表示速度を向上させるためには、まず画像データのサイズを見直すことが効果的です。必要以上に大きな画像を使用しているサイトは多く存在します。ページの読み込みが早くなることで、ユーザー体験の向上も期待できるでしょう。

②商品ページのSEO対策

タイトルタグ・ディスクリプションの最適化

ディスクリプションとは、ウェブサイトのページ内容を簡潔に説明したテキストのことです。これを設定することで、検索エンジンに「このサイトはどんな内容か」「何を解決してくれるのか」を伝え、ユーザーが検索結果でサイトを見つけやすくなります。検索されやすいキーワードを使い、クリックしたくなるようなタイトルや説明文にすることが重要です。

商品説明の充実

Googleはユーザーにとって価値のある情報を提供するページを重視しています。そのためECサイトでは商品ページの充実が不可欠です。商品名や価格といった基本情報に加え、サイズ、素材、使用方法、ユーザーの感想など、必要な情報をできるだけ多く掲載しましょう。食品ならおすすめレシピなども効果的です。また、商品開発の背景といったオリジナリ性が高くユーザーの興味が高い情報を加えることは商品への安心感につながり購入の決め手になりやすいです。

ただし、ECサイト商品ページにおいて3,000文字を超える長文は、Googleが「読み物」と見なして適切に表示されないこともあるので注意が必要です。

情報は適度にまとめ、ユーザーに必要な内容を簡潔に伝えることがECサイトのSEO対策において重要なポイントです。

商品画像を充実させる

SEO対策には、サイズ感や素材、商品の使用シーンや調理イメージ、配送時の荷姿など、ユーザーが商品を理解しやすくするために、複数の写真を商品ページに掲載することが理想的です。それぞれの画像には、内容を説明するテキスト「alt属性」を設定することを忘れないようにしましょう。「alt属性」を設定することで、Googleのクローラーが画像の内容をより正確に理解し、SEO評価の向上にもつながります。

③コンテンツSEO対策

 コンテンツSEOは、ユーザーに価値ある情報を提供し、検索エンジンでの上位表示を目指す戦略です。ただ単にキーワードを詰め込むのではなく、ユーザーの疑問や悩みを解消する質の高いコンテンツを制作することがポイントです。

また、適切なキーワードをタイトルや見出しに組み込み、内部リンクを工夫することで、SEO効果を向上させることが可能です。役立つ情報を継続的に提供することで、検索エンジンからの評価が高まり、長期的な集客につながります。

ブログやコラムの活用
コンテンツSEOで成功するには、ユーザーのニーズに応えるだけでなく、自社ECサイトと関連性の高いコンテンツを作ることが重要です。

Googleは、サイトの専門性とコンテンツの一致を評価します。例えば、ベビー用品のショップが「人気のスイーツ」という記事を書いても、ユーザーには関連性が低く、クリックされにくいでしょう。しかし、「出産祝いのお返しに喜ばれるおすすめスイーツ」ならどうでしょうか?ベビー用品のユーザー層にとって有益な情報となり、自然とクリックされやすくなります。

このように、ECサイトでは取り扱い商品やジャンルに沿った記事を作成することが大切です。関連性のあるコンテンツを発信することで、サイトの専門性が高まり、他社との差別化にもつながります。

内部リンクの強化
自社サイト内の関連ページを積極的にリンクでつなぎ、内部リンクの最適化を進めましょう。例えば、関連商品やおすすめレシピのコラムから商品ページへリンクを設定すると、SEO評価が向上し、ユーザーの回遊率がアップします。これにより、検索順位の向上やユーザー体験の改善が期待できます。

内部リンク対策のメリットは大きく2つです。

① 検索エンジンがページ同士の関連性や重要度を正確に判断できるため、検索順位の向上が期待できる。

② クローラーが内部リンクをたどり、サイトを効率的に巡回することで、インデックスされやすくなる。

適切な内部リンクを設定することで、サイト全体の評価を高め、より多くのユーザーにリーチできるようになります。

④その他の取り組みたいSEO対策

 基本的なSEO対策に加えて、以下の施策を取り入れることで、サイトの評価向上や集客力アップが期待できます。

  • 被リンクの獲得
    信頼性のあるサイトからのリンクを増やし、検索エンジンの評価を高める。
  • SNSの活用
    TwitterやInstagramなどのSNSで商品ページを拡散し、アクセス数を増やす。
  • Googleマイビジネスの活用
    店舗を運営している場合、Googleマイビジネスに登録し、ローカルSEOを強化。
  • 口コミ・レビューの強化
    ユーザーのレビューを増やし、信頼性を向上させる。

ECサイトでSEOを行う際の注意点とポイント

  • キーワードの乱用を避ける
    不自然にキーワードを詰め込むと、逆に検索エンジンの評価が下がる可能性がある。
  • 重複コンテンツを作らない
    同じ内容のページが複数あるとSEO評価が分散され、検索順位が下がる。
  • 過度な被リンク対策をしない
    不自然なリンクの増加はペナルティを受ける可能性がある。
  • 定期的な分析と改善
    Google Search ConsoleやGoogle Analyticsを活用し、SEOの効果を定期的に分析。

ECサイトのSEO対策では「ユーザーの検索意図を理解し、適切なコンテンツを提供すること」が最も重要だとされています。また、検索エンジンのアルゴリズムは常に変化しているため、最新のSEO情報を取り入れながら、継続的に対策を行うことが成功の鍵です。

最後に

ECサイトのSEO対策は、集客に欠かせない重要な施策です。Googleのアルゴリズムに従い、適切な対策を講じることが成功の鍵となります。

まずは「ECサイト全体のSEO」「商品ページのSEO」「コンテンツSEO」を実施しましょう。質の高いコンテンツを提供し、ユーザーに役立つ情報を発信することがSEO成功に繋がります。最新のSEOトレンドを意識し、積み重ねを大切にして、より多くのユーザーに選ばれるサイトを目指しましょう。


【コラム執筆者】

YAGUI  伊藤 忍

●YAGUI ONLINE

https://www.yagui.jp/