経営コンサルタント直伝コラム
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経営コンサルタント直伝!周年はブランドコミュニケーション最大のチャンス!

はじめに

企業が存続するうえで必ず訪れる周年イヤー。このタイミングをどのように過ごすのかで、次の周年までの企業成長スピードが大きく変わります。本コラムでは、周年イヤーにおけるブランドコミュニケーションのあり方について説明します。

企業における周年とは

まずはじめに、周年の役割を確認しましょう。
周年イヤーとは、企業創業(設立)・店舗OPEN・商品発売など、何かをはじめてから長期継続できていることについて、節目である5年や10年ごとに祝い、関係者に感謝を伝える年のことです。

そんな周年には、以下の役割があります。

①歴史を振り返る

過去の良かったことや悪かったことを振り返り、今現在の状況を改めて認識するきっかけとなります。またそれは、今後企業はどう進んでいくべきなのかという未来を考えることに繋がります。

②感謝の気持ちを表す

日常で伝えることができていない感謝の気持ちを、従業員だけでなく、取引先や顧客など、ステークホルダー全体に向けて表に出せるタイミングです。

③大義名分ができる

「周年だから」という大義名分をつけて、何かをはじめることに対して納得感が得やすく、ステークホルダーの協力を得やすい環境となります。

このような役割をもつ周年にも関わらず、「記念品贈答」だけで周年を終わらすのは非常にもったいないと思いませんか?ただ「祝う」だけではなく、ブランドコミュニケーションの機会と捉えて活用していただければと思います。

周年で実施するブランドコミュニケーション

では、周年イヤーでブランドコミュニケーションの効果を最大化させるためには何が必要でしょうか?
以下に3つのポイントを挙げます。

①ブランドコミュニケーションの目的・ターゲットを明確にする

コミュニケーションしていきたい対象(コーポレートor商品・サービス)のブランドの現状を確認し、この周年イヤーにおけるブランドコミュニケーションの目的とターゲットを明確にします。

例えば、自社商品のファンの高齢化が課題であった場合、若年層への認知拡大が目的となり得ます。また、自社社員の企業に対するエンゲージメントの低さという課題が現状にあった場合、社員のエンゲージメント向上が目的となり得ます。このように目的とターゲットを定めてからコミュニケーション施策を考えましょう。

②社内推進体制を整える

企業が周年に取り組む際によく課題となるのが、一部の社員しか周年に取り組んでおらず、ほとんどが他人事になっていることです。これを防ぐひとつの方法として、社内推進体制があります。周年プロジェクトチームを、ひとつの部門で組成するのではなく、全部門から横断的にメンバーを選定して組成します。そうすることによって、全部門が関わる周年となり、社員ひとりひとりの自分ゴト化を後押しします。

③十分な準備期間をとり計画をたてる

多くの企業は周年を迎える数か月前になってから、その準備を始めます。そのため、例年行っていること以外の準備ができないという話をよく耳にします。周年の準備をはじめるおすすめの期間は2年間です。周年を迎える2年前からはじめることで、新たな取組みの準備も十分にできるため、ブランドコミュニケーションの効果も最大化できます。

ビジョンの共有と未来への展望

周年は企業の未来へのビジョンを共有する場でもあります。経営陣が今後の戦略や目標を発表し、社員やステークホルダーと共に未来への期待を高めます。これにより、企業全体が一丸となって新たな挑戦に向かう意欲を高めることができます。企業の周年は、単なるお祝いの場にとどまらず、戦略的な取り組みを通じて企業の成長と発展を促進する重要な機会です。これらの取り組みを通じて、企業は過去の成功を礎に、未来への新たな一歩を踏み出すことができます。

さいごに

周年を迎えるにあたり、記念品を用意し、式典を行う、ということを定例行事として済ませている企業は未だに多くあります。このコラムを読んでいただいた皆さまは、ぜひ周年をブランドコミュニケーションの絶好の機会と捉え、会社全体を巻き込んで推進いただければと思います。