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【第4弾】仙台イーストカントリーに学ぶ、6次産業化はじめの一歩

【インタビュー企業】

会社名 農事組合法人仙台イーストカントリー
所在地 宮城県仙台市若林区荒井字神屋敷224
設立 平成20年1月15日
代表者名 佐々木 均
構成員 役員12名、理事10名、パート15名(2018年12月現在)
HP https://www.sendaieast.jp/

 

はじめに

仙台イーストカントリーは令和5年みやぎ6次産業化リノベーション支援事業に参加した企業の1つです。震災により津波被害を受けた農地を引き受け、仙台平野の水田を復興させ、安心安全なお米や農産物を育て上げています。また、育てたお米を使った農家レストラン「おにぎり茶屋ちかちゃん」を運営や、神屋敷地域で培われてきた味噌づくりを体験できる「みそづくりワークショップ」を開催など、6次産業化を目指す企業の手本となる企業です。これまで、【第1弾】【第2弾】【第3弾】と連載してきました、仙台イーストカントリー 理事 佐々木こづ恵氏へのインタビューも今回が最終回となります。今回は、6次産業化を進める中で佐々木こづ恵氏が大切にしている考え、心得についてお伺いして参りました。

公開予定日

【第一弾】 仙台イーストカントリーに学ぶ、支援事業効果 (2025年2月27日)

【第二弾】 仙台イーストカントリーに学ぶ、大人気ワークショップの秘訣(2025年3月1日)

【第三弾】 仙台イーストカントリーに学ぶ、農家レストランのはじまり(2025年3月3日)

【第四弾】 仙台イーストカントリーに学ぶ、6次産業化はじめの一歩(2025年3月5日)

生産と加工

  • コメの多品種栽培をしている理由は?

仙台イーストカントリーではコメの多品種栽培を行っております。もちろんお客様のご要望に応えたいという思いや、商品バラエティーを増やしたいという思いもありますが、大きな理由は、刈り取り適期を少しずつずらして1台の機械で済むようにしているためです。一度に田植えをすると、1週間で全て刈り取らないといけなくなったり、適期をずらさないといけなくなったりしてしまいます。また、機械も人もたくさん必要になります。そういったことが無いように、様々工夫をしています。そもそもの品種を増やしていることもそうですが、種まきも湛水直播・乾田直播・鉄コーティング直播と3種類の方法で行い、稲の出来上がり時期もずらしています。コメの品質は保ちつつ、1台のコンバインを極力長い時期稼働させるようにしています。機械1台増やすと、人も倍必要になりますしね。

コロナ前は新米試食会を実施し、お客様のニーズを聞いていました。好みは千差万別ですので、新米試食会で一口ずつ食べて好きな品種を選んで買って帰れるようにしていました。また、人気のあった品種は作付けも増やしていました。コロナで開催は難しくなってしまいましたが、こういったイベントは喜んでもらえましたね。色々な品種がすぐ買えるので、色々冒険して、うちにはこれがあっているなとか見つけてもらう楽しみは今でも提供出来ているかと思います。

  • 事業を進めていく中で大切にしていることは?

コストを下げるためにも、お客様に喜んでもらうためにも、「ちょっとめんどくさいな」を増やしていくことを大切にしています。

コメの多品種栽培も苗を間違えないように管理をしたり、コンバインや乾燥機も品種ごとに混じらないように掃除をしたり、ちょっとめんどくさいの積み重ねが大きなコストダウンに繋がると考えています。

たくさん機械を導入したり、大人数で作って売ったりとか、お金と人をたくさん投入すればもちろん売り上げは上がるかと思います。そうではなく、限られた機械・限られた人数で売上をあげていくには「ちょっとめんどくさいな」が重要になります。

稲わらの販売もしていますが、とにかく資源を無駄にすることなく、設備投資するほどのお金はないので、今ある設備を最大限活用し、事業の柱を大きくしていく必要があります。うちは、コメ・味噌・加工品の3本柱でやっていますが、陰で支える柱は何本あってもいいですからね。今あるものを使って、「ちょっとめんどくさいな」を積み重ねていくことが大切です。

[画像:仙台イーストカントリー販売商品]

 

さいごに

  • 6次産業化に取り組む企業や生産者へ応援メッセージをお願いいたします。

今は、私たちと一緒に6次化に取り組みだした人たちがどんどん辞めてしまっています。高齢化が進んできました。漬物屋さんも保健所が厳しくなってたくさん辞めていっています。だからこそ、どんどん新しい方たちに参入してきて欲しいです。一緒に盛り上げていけたら嬉しいです。

全4回に渡り、仙台イーストカントリー理事佐々木こづ恵氏にインタビューをして参りました。仙台イーストカントリーの取り組みは地域の農業を支えるだけではなく、新たな価値を生み出し、雇用創造や人口減少の中での農業への取り組みなど未来の可能性を広げる力強い一歩となっています。6次産業化を目指す皆さまにとって、新たな一歩を踏み出すきっかけになりましたら幸いです。


【インタビュー企業関連HP】

仙台イーストカントリー:https://www.sendaieast.jp/

おにぎり茶屋ちかちゃん:https://www.pref.miyagi.jp/site/sdgt/noa5-chikchan.html

MYみそワークショップ:https://sendai-nogyo-engei-center.jp/event/entry/254/

(2025年開催日程は全て定員に達しました)

 

経営コンサルタント直伝!周年はブランドコミュニケーション最大のチャンス!

はじめに

企業が存続するうえで必ず訪れる周年イヤー。このタイミングをどのように過ごすのかで、次の周年までの企業成長スピードが大きく変わります。本コラムでは、周年イヤーにおけるブランドコミュニケーションのあり方について説明します。

企業における周年とは

まずはじめに、周年の役割を確認しましょう。
周年イヤーとは、企業創業(設立)・店舗OPEN・商品発売など、何かをはじめてから長期継続できていることについて、節目である5年や10年ごとに祝い、関係者に感謝を伝える年のことです。

そんな周年には、以下の役割があります。

①歴史を振り返る

過去の良かったことや悪かったことを振り返り、今現在の状況を改めて認識するきっかけとなります。またそれは、今後企業はどう進んでいくべきなのかという未来を考えることに繋がります。

②感謝の気持ちを表す

日常で伝えることができていない感謝の気持ちを、従業員だけでなく、取引先や顧客など、ステークホルダー全体に向けて表に出せるタイミングです。

③大義名分ができる

「周年だから」という大義名分をつけて、何かをはじめることに対して納得感が得やすく、ステークホルダーの協力を得やすい環境となります。

このような役割をもつ周年にも関わらず、「記念品贈答」だけで周年を終わらすのは非常にもったいないと思いませんか?ただ「祝う」だけではなく、ブランドコミュニケーションの機会と捉えて活用していただければと思います。

周年で実施するブランドコミュニケーション

では、周年イヤーでブランドコミュニケーションの効果を最大化させるためには何が必要でしょうか?
以下に3つのポイントを挙げます。

①ブランドコミュニケーションの目的・ターゲットを明確にする

コミュニケーションしていきたい対象(コーポレートor商品・サービス)のブランドの現状を確認し、この周年イヤーにおけるブランドコミュニケーションの目的とターゲットを明確にします。

例えば、自社商品のファンの高齢化が課題であった場合、若年層への認知拡大が目的となり得ます。また、自社社員の企業に対するエンゲージメントの低さという課題が現状にあった場合、社員のエンゲージメント向上が目的となり得ます。このように目的とターゲットを定めてからコミュニケーション施策を考えましょう。

②社内推進体制を整える

企業が周年に取り組む際によく課題となるのが、一部の社員しか周年に取り組んでおらず、ほとんどが他人事になっていることです。これを防ぐひとつの方法として、社内推進体制があります。周年プロジェクトチームを、ひとつの部門で組成するのではなく、全部門から横断的にメンバーを選定して組成します。そうすることによって、全部門が関わる周年となり、社員ひとりひとりの自分ゴト化を後押しします。

③十分な準備期間をとり計画をたてる

多くの企業は周年を迎える数か月前になってから、その準備を始めます。そのため、例年行っていること以外の準備ができないという話をよく耳にします。周年の準備をはじめるおすすめの期間は2年間です。周年を迎える2年前からはじめることで、新たな取組みの準備も十分にできるため、ブランドコミュニケーションの効果も最大化できます。

ビジョンの共有と未来への展望

周年は企業の未来へのビジョンを共有する場でもあります。経営陣が今後の戦略や目標を発表し、社員やステークホルダーと共に未来への期待を高めます。これにより、企業全体が一丸となって新たな挑戦に向かう意欲を高めることができます。企業の周年は、単なるお祝いの場にとどまらず、戦略的な取り組みを通じて企業の成長と発展を促進する重要な機会です。これらの取り組みを通じて、企業は過去の成功を礎に、未来への新たな一歩を踏み出すことができます。

さいごに

周年を迎えるにあたり、記念品を用意し、式典を行う、ということを定例行事として済ませている企業は未だに多くあります。このコラムを読んでいただいた皆さまは、ぜひ周年をブランドコミュニケーションの絶好の機会と捉え、会社全体を巻き込んで推進いただければと思います。

ECサイト開設、どこが良い? 自社にあったサービスを選ぶには

はじめに

インターネットを活用してビジネス拡大を目指す企業にとって、ECサイト(ネットショップ)の開設は不可欠です。しかし、初めてECサイトを立ち上げる際には、どのサービスを利用すべきか迷うことが少なくありません。多くの人が最もコストパフォーマンスが良く、使いやすいサービスを選びたいと考えていますが、どのサービスにもメリットとデメリットが存在します。本稿では、ECサイトを開設する際に確認すべきポイント、各サービスの特長、適切なサービスの選定方法、そして開設後に注意すべき事項について詳しく解説いたします。

E Cサイトを開設する2つの方法

インターネットでお店を作るには、大きく分けて下記の2つの方法があります。

  • ECモールへの出店(E Cモール型)→「Amazon」「楽天市場」など
  • E Cサイト作成サービスの利用(独自ショップ型)→「BASE」「カラーミー」「Shopify」など

E Cモール型は、多数の店舗が並ぶモール内の一店舗として出店することです。デザインや機能面でのカスタマイズが制限されるものの、モール自体の高い知名度から一定の集客が期待できるという利点があります。

独自ショップ型は、モール内での出店ではなく、作成サービスを利用して自社のネットショップを立ち上げることです。自由なデザイン性を活かして自社のイメージを最大限に表現したサイトを構築することも可能です。ブランディングを想定している場合は独自ショップ型がおすすめです。

各サービスのメリット・デメリット

ECサイトを開設するための主要なサービスには、以下のようなものがあります。

①E Cモール型(Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなど)

 メリット

  • 集客力が高い
  • 信頼性があり、購入率が高い
  • 初期のSEO対策をしなくてもある程度の流入が見込める

デメリット

  • 出店手数料や販売手数料がかかる
  • 独自ブランドの認知度が上がりにくい
  • 競合が多く、価格競争になりやすい

ECモール型は、郊外にある大型ショッピングモールのオンラインバージョンと考えることができます。

 

ECモール型の最大の利点は高い集客力

多くの人が休日に「特に買うものは決まっていないけれど、ショッピングモールに行ってみよう」と思うことがあるでしょう。このように「何かお得で良いものが見つかるかもしれない」という期待感は、インターネット上のモールでも同じことが言えます。さらに、当日・翌日配送などの物流の強さも、ECモール型の大きな特徴です。

競合が多く、価格競争になりやすい

デメリットとしては、自店の商品だけが検索結果に表示されるわけではないため、常に価格競争に巻き込まれるリスクが高い点があります。また、月額出店料やシステム利用料、ポイント付与の負担など、固定費が高くなる傾向があるため、中〜大規模の事業者向けであるとも言えます。

②独自ショップ型(BASE、MakeShop 、Shopifyなど)

メリット

  • 自由なデザインとブランディング
  • 初心者でも始めやすい
  • 初期費用や運用コストが比較的安い

デメリット

  • 集客力に課題があるため、ショップ毎に集客対策が必須

ネットショップ作成サービスを利用すれば、ECモールのようなショッピングモール型ではなく、独立したお店をネット上に開設できます。イメージとしては、オンライン上に一軒家の路面店を構えるようなものです。

自由なデザインとブランディング

独自ネットショップの最大の魅力は、デザインの自由度の高さです。
ECモールでは統一感を保つためにレイアウトやフォントに制限がありますが、独自ショップならデザインや文章のトーンを自由に設定することができます。

例えば、フレンドリーな言葉で親しみやすさを演出したり、シンプルなビジュアルで洗練された雰囲気を作り出したりすることも可能です。さらに、商品のパッケージやラベルとサイトデザインを統一すれば、ブランドの世界観がより伝わりやすくなり、信頼感や購入意欲の向上につながります。

「商品とお店のイメージを統一したい」「他のショップと差別化したい」と考えている方には、独自ショップ型がおすすめです。

初期費用や運用コストが比較的安いので初心者でも参入しやすい

コスト面でも独自ネットショップは有利です。ECモールは集客力がある反面、利用料金や販売手数料が高めです。一方、独自ショップは大きく以下の2つの料金プランが主流で、どちらもモール型より費用を抑えられます。

有料プラン:月額費用が発生するが、販売手数料が低い

無料プラン:月額費用は無料だが、販売ごとの手数料が高め

開業時や成長期のショップオーナーにとって、初期費用やランニングコストを抑えられるのは大きなメリットです。

最大の課題は集客

独自ネットショップの最大の課題は集客です。

ECモールなら、サイト全体の集客力によってある程度の流入が期待できますが、独自ショップは開業しただけでは誰も訪れてくれません。

そのため、InstagramなどのSNS運用、広告出稿、SEO対策を駆使し、自らお客様を呼び込む工夫が欠かせません。集客には時間と労力がかかりますが、地道な努力を続けることでブランドの認知度が高まり、安定した売上につながります。

試行錯誤を重ねながら、継続的に改善し続ける姿勢こそが成功のカギとなるのです。

初めて開設する場合に確認するところ

ECサイトを初めて開設する際には、独自ショップ型とE Cモール型2つの違いを踏まえ、以下のポイントを確認しましょう。

①目的とターゲットの明確化

  • 何を販売するのか(商品やサービスの種類)
  • 誰に販売するのか(ターゲット層の設定)
  • どのような規模で運営するのか(小規模・大規模展開)

②予算の把握

  • 初期費用、月額費用、手数料を考慮
  • 運営にかかるコスト(人件費、マーケティング費用など)

③必要な機能の確認

  • 商品管理・在庫管理機能
  • 決済方法(クレジットカード、電子マネー、コンビニ決済など)
  • 配送設定や物流システム
  • SEO対策やマーケティング機能

④運営体制の準備

  • サイト運営を誰が担当するのか
  • サポート体制の構築(カスタマーサポート、FAQの準備)

自社にあったサービスを選ぶには

どのサービスを選ぶかは、自社の目的やリソースに応じて決める必要があります。

①低コストで手軽に始めたいなら独自ショップ型

  • 小規模ビジネスやスタートアップ向け
  • ShopifyやBASE、STORESなら手軽に開設可能

②すぐに集客したいならE Cモール型

  • すでにブランドや商品がある企業向け
  • 初期投資を抑えつつ売上を確保したい場合に適している

開設してから大事なこと

ECサイトを開設した後、成功させるためには以下のポイントが重要です。

①マーケティング戦略の実施

  • SEO対策を強化し、検索流入を増やす
  • SNSや広告を活用し、認知度を高める
  • メルマガやLINE公式アカウントを活用し、リピーターを増やす

②顧客対応の強化

  • 購入後のフォローアップを徹底する
  • クレーム対応や返品対応をスムーズに行う
  • ユーザーレビューの収集と活用

③在庫・物流管理の最適化

  • 在庫切れや過剰在庫を防ぐ
  • 配送のスピードや品質を向上させる

④データ分析を活用する

  • アクセス解析を行い、課題を特定する
  • ユーザーの行動データを分析し、販売戦略を最適化する

最後に

ECサイトを開設する際は、まず自社の目的やリソースを明確にし、それに合ったサービスを選ぶことが重要です。

独自ショップ型とECモール型、それぞれにメリット・デメリットがあり、さらにサービスごとに細かな特徴も異なります。どちらを選ぶべきか迷った場合は、専門家に相談するのも一つの方法です。

また、開設後はマーケティングや顧客対応を強化し、継続的に改善していくことで、売上の最大化を目指しましょう。適切なサービスを選び、戦略的に運営することが、ECビジネス成功のカギとなります。


【コラム執筆者】

YAGUI  伊藤 忍

●YAGUI ONLINE

https://www.yagui.jp/

ECサイトに必要なSEO対策とは? 今すぐできるおすすめの対策

はじめに

ネットショップ(ECサイト)を成功させるには、検索エンジンで上位に表示され、多くの人に訪れてもらうことが大切です。そのために欠かせないのがSEO対策です。

特に、楽天やAmazonのようなショッピングモールではなく、独自のECサイトを運営している場合、サイトデザインは魅力的でもSEO対策が不十分なケースをよくみかけます。

実際に、「デザインにこだわったのに売上が伸びない」という相談の多くは、SEO対策が十分に行われていないことが原因です。どんなに見た目が良くても、訪問者が少なければ売上にはつながりません。 だからこそ、適切なSEO対策が必要です。

本稿では、「なぜSEO対策が大切なのか」・「すぐに実践できるおすすめのSEO対策」についてわかりやすく解説していきます。

ECサイトになぜSEO対策が必要なのか?

SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで自社のサイトを上位表示させるための施策のことです。

ECサイトでは、多くのユーザーが商品を探す際に検索エンジンを利用するため、SEO対策は集客や売上に大きく影響します。

SEO対策を行うことで、

検索結果の上位に表示され、広告費をかけずに集客できる

サイトの信頼性が向上する

長期的な売上の安定につながる

など、多くのメリットがあります。

リスティング広告とは異なり、SEO対策は継続的に実施することで、安定した集客効果が期待できるので、ECサイト運営において欠かせない施策の一つです。

すぐに実行できるECサイトのSEO対策

ECサイトのSEO対策には、以下の3つのパターンがあります。

①ECサイト全体のSEO対策

 サイト構造の最適化

ディレクトリ構造(URLの階層)を整理すると、SEO評価が向上し、ユーザーも目的のページにたどり着きやすくなります。

☑︎ シンプルでわかりやすいURLにする

× 悪い例: example.com/cat123/prod45678(意味不明な英数字)

○ 良い例 example.com/shoes/sneakers(カテゴリと商品が明確)

意味のない表記(?id=123 など)を避け、「カテゴリ → 商品」のように階層名とリンクさせたURLになるよう工夫しましょう。日本語表記は文字化けする可能性があるため、英語表記が望ましい。

☑︎ クローラー対策として階層をできるだけ浅くする

× 悪い例(深すぎる):
example.com/category/mens/shoes/sneakers/running/adidas/model123

○ 良い例(適切な階層):

example.com/shoes/sneakers/adidas-model123

検索エンジンのクローラーは、サイトを巡回し、検索順位を決める要素を収集します。しかし、サイトの階層が深すぎるとクローラーが回りづらくなり、Googleの検索結果に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、サイトの階層は3~4階層以内に収めるのが理想的です。

☑︎パンくずリスト」でナビゲーション強化

「ホーム > シューズ> スニーカー」などのパンくずリストを設置すると、ユーザーは自分の位置を把握しやすく、必要な情報を見つけやすくなります。また、構造化されたパンくずリストはクローラーのサイト理解を助け、インデックスの高速化にも貢献します。

モバイルフレンドリー対応

パソコン向けのレイアウトやデザインをそのまま使用すると、モバイル端末のユーザーは操作が難しくなり、離脱してしまうリスクが高まります。そのため、モバイル端末に適したウェブサイトの設計が必要です。最近ではほとんどのサイトがモバイルフレンドリーに対応していますが、未対応の場合は早急な改善が求められます。

ページの表示速度改善

表示速度が1秒遅れるだけで、ユーザーが離れてしまうリスクが高まります。また、サイトの表示速度は、ユーザーの満足度だけでなく、検索エンジンの順位にも大きな影響を及ぼします。表示速度を向上させるためには、まず画像データのサイズを見直すことが効果的です。必要以上に大きな画像を使用しているサイトは多く存在します。ページの読み込みが早くなることで、ユーザー体験の向上も期待できるでしょう。

②商品ページのSEO対策

タイトルタグ・ディスクリプションの最適化

ディスクリプションとは、ウェブサイトのページ内容を簡潔に説明したテキストのことです。これを設定することで、検索エンジンに「このサイトはどんな内容か」「何を解決してくれるのか」を伝え、ユーザーが検索結果でサイトを見つけやすくなります。検索されやすいキーワードを使い、クリックしたくなるようなタイトルや説明文にすることが重要です。

商品説明の充実

Googleはユーザーにとって価値のある情報を提供するページを重視しています。そのためECサイトでは商品ページの充実が不可欠です。商品名や価格といった基本情報に加え、サイズ、素材、使用方法、ユーザーの感想など、必要な情報をできるだけ多く掲載しましょう。食品ならおすすめレシピなども効果的です。また、商品開発の背景といったオリジナリ性が高くユーザーの興味が高い情報を加えることは商品への安心感につながり購入の決め手になりやすいです。

ただし、ECサイト商品ページにおいて3,000文字を超える長文は、Googleが「読み物」と見なして適切に表示されないこともあるので注意が必要です。

情報は適度にまとめ、ユーザーに必要な内容を簡潔に伝えることがECサイトのSEO対策において重要なポイントです。

商品画像を充実させる

SEO対策には、サイズ感や素材、商品の使用シーンや調理イメージ、配送時の荷姿など、ユーザーが商品を理解しやすくするために、複数の写真を商品ページに掲載することが理想的です。それぞれの画像には、内容を説明するテキスト「alt属性」を設定することを忘れないようにしましょう。「alt属性」を設定することで、Googleのクローラーが画像の内容をより正確に理解し、SEO評価の向上にもつながります。

③コンテンツSEO対策

 コンテンツSEOは、ユーザーに価値ある情報を提供し、検索エンジンでの上位表示を目指す戦略です。ただ単にキーワードを詰め込むのではなく、ユーザーの疑問や悩みを解消する質の高いコンテンツを制作することがポイントです。

また、適切なキーワードをタイトルや見出しに組み込み、内部リンクを工夫することで、SEO効果を向上させることが可能です。役立つ情報を継続的に提供することで、検索エンジンからの評価が高まり、長期的な集客につながります。

ブログやコラムの活用
コンテンツSEOで成功するには、ユーザーのニーズに応えるだけでなく、自社ECサイトと関連性の高いコンテンツを作ることが重要です。

Googleは、サイトの専門性とコンテンツの一致を評価します。例えば、ベビー用品のショップが「人気のスイーツ」という記事を書いても、ユーザーには関連性が低く、クリックされにくいでしょう。しかし、「出産祝いのお返しに喜ばれるおすすめスイーツ」ならどうでしょうか?ベビー用品のユーザー層にとって有益な情報となり、自然とクリックされやすくなります。

このように、ECサイトでは取り扱い商品やジャンルに沿った記事を作成することが大切です。関連性のあるコンテンツを発信することで、サイトの専門性が高まり、他社との差別化にもつながります。

内部リンクの強化
自社サイト内の関連ページを積極的にリンクでつなぎ、内部リンクの最適化を進めましょう。例えば、関連商品やおすすめレシピのコラムから商品ページへリンクを設定すると、SEO評価が向上し、ユーザーの回遊率がアップします。これにより、検索順位の向上やユーザー体験の改善が期待できます。

内部リンク対策のメリットは大きく2つです。

① 検索エンジンがページ同士の関連性や重要度を正確に判断できるため、検索順位の向上が期待できる。

② クローラーが内部リンクをたどり、サイトを効率的に巡回することで、インデックスされやすくなる。

適切な内部リンクを設定することで、サイト全体の評価を高め、より多くのユーザーにリーチできるようになります。

④その他の取り組みたいSEO対策

 基本的なSEO対策に加えて、以下の施策を取り入れることで、サイトの評価向上や集客力アップが期待できます。

  • 被リンクの獲得
    信頼性のあるサイトからのリンクを増やし、検索エンジンの評価を高める。
  • SNSの活用
    TwitterやInstagramなどのSNSで商品ページを拡散し、アクセス数を増やす。
  • Googleマイビジネスの活用
    店舗を運営している場合、Googleマイビジネスに登録し、ローカルSEOを強化。
  • 口コミ・レビューの強化
    ユーザーのレビューを増やし、信頼性を向上させる。

ECサイトでSEOを行う際の注意点とポイント

  • キーワードの乱用を避ける
    不自然にキーワードを詰め込むと、逆に検索エンジンの評価が下がる可能性がある。
  • 重複コンテンツを作らない
    同じ内容のページが複数あるとSEO評価が分散され、検索順位が下がる。
  • 過度な被リンク対策をしない
    不自然なリンクの増加はペナルティを受ける可能性がある。
  • 定期的な分析と改善
    Google Search ConsoleやGoogle Analyticsを活用し、SEOの効果を定期的に分析。

ECサイトのSEO対策では「ユーザーの検索意図を理解し、適切なコンテンツを提供すること」が最も重要だとされています。また、検索エンジンのアルゴリズムは常に変化しているため、最新のSEO情報を取り入れながら、継続的に対策を行うことが成功の鍵です。

最後に

ECサイトのSEO対策は、集客に欠かせない重要な施策です。Googleのアルゴリズムに従い、適切な対策を講じることが成功の鍵となります。

まずは「ECサイト全体のSEO」「商品ページのSEO」「コンテンツSEO」を実施しましょう。質の高いコンテンツを提供し、ユーザーに役立つ情報を発信することがSEO成功に繋がります。最新のSEOトレンドを意識し、積み重ねを大切にして、より多くのユーザーに選ばれるサイトを目指しましょう。


【コラム執筆者】

YAGUI  伊藤 忍

●YAGUI ONLINE

https://www.yagui.jp/

HP一時閉鎖のお知らせ(2025年4月1日以降 )

2025年4月1日より、本事業の切り替え作業にともない公式HPを一時的に閉鎖いたします。

再開時期につきましては、別途宮城県農山漁村なりわい課より情報発信を行います。

再開までの期間については下記問い合わせ先までご連絡をよろしくお願いいたします。

【問い合わせ先】

宮城県 農山漁村なりわい課 6次産業化支援班

宮城県仙台市青葉区本町3丁目8番1号 行政庁舎10階

電話番号:022-211-2242

メールアドレス:nariwai-6@pref.miyagi.lg.jp

【第3弾】仙台イーストカントリーに学ぶ、農家レストランのはじまり

【インタビュー企業】

会社名 農事組合法人仙台イーストカントリー
所在地 宮城県仙台市若林区荒井字神屋敷224
設立 平成20年1月15日
代表者名 佐々木 均
構成員 役員12名、理事10名、パート15名(2018年12月現在)
HP https://www.sendaieast.jp/

 

はじめに

仙台イーストカントリーは令和5年みやぎ6次産業化リノベーション支援事業に参加した企業の1つです。震災により津波被害を受けた農地を引き受け、仙台平野の水田を復興させ、安心安全なお米や農産物を育て上げています。また、育てたお米を使った農家レストラン「おにぎり茶屋ちかちゃん」を運営や、神屋敷地域で培われてきた味噌づくりを体験できる「みそづくりワークショップ」を開催など、6次産業化を目指す企業の手本となる企業です。今回は、【第1弾】【第2弾】に引き続き、佐々木こづ恵氏に、農家レストラン「おにぎり茶屋ちかちゃん」についてお伺いしてきました。レストランやカフェに挑戦してみたいけどハードルが高いと感じている生産者の方も多いかと思います。そういった方々に向けて、おにぎり茶屋ちかちゃん誕生のきっかけから売上向上の秘密までお伝えいたします。

公開予定日

【第一弾】 仙台イーストカントリーに学ぶ、支援事業効果 (2025年2月27日)

【第二弾】 仙台イーストカントリーに学ぶ、大人気ワークショップの秘訣(2025年3月1日)

【第三弾】 仙台イーストカントリーに学ぶ、農家レストランのはじまり(2025年3月3日)

【第四弾】 仙台イーストカントリーに学ぶ、6次産業化はじめの一歩(2025年3月5日)

おにぎり茶屋ちかちゃん

  • 名前の由来は何ですか?

「ちかちゃん」というのは、私の母親の名前がちかこという名前で、みんなからちかちゃん、ちかちゃんと呼ばれていたからです。また、母方の祖父もちかおという名前でちかちゃんと呼ばれていました。母親は現在72歳で理事を担当していますが、お店には時々しか現れないレアキャラになっています。

[画像:おにぎり茶屋ちかちゃん]

 

  • おにぎり茶屋ちかちゃんを始めたきっかけは?

これも東日本大震災がきっかけです。震災で色々なものを無くしました。被害が大きく、避難が必要になり、たまたま避難所ではなく知人の家に避難することになりました。なにもなくなってしまったとき、一番始めに口にしたのがおにぎりだったんです。知人の家でみんなでおにぎりを作って、避難した人たちや消防団にお昼ご飯としておにぎりを差し入れもしました。その時、おにぎりの魅力に気が付きました。おにぎりはやはり、日本人のソウルフードだなと。手軽にどんな時でも、大人も子どもも食べられるおにぎりを自分たちのお米で作りたい。おいしさを共有したいと考えました。

また、震災で畑もだめになり、スタッフの働く場所もなくなってしまいました。そのため、何とか働く場所を確保したいという思いもあり、補助金の後押しもあって、補助金が出る農家レストランをやろうと決めました。

農家レストランというとハードルが高く感じていましたが、元々何件かのスーパーにおにぎりを卸していたこともあり、おにぎり屋さんだったらハードルが低い。テイクアウトとイートインの両方を用意して、レストランとしておにぎりがメインだったら出来ると考え挑戦しました。

現在では、当初ここまでいったらすごいなと掲げていた目標売上の3倍以上売上をあげることが出来ています。

[画像:おにぎり茶屋ちかちゃんで働く方々]

 

  • どういった商品が人気ですか?

ちかちゃんの中で一番人気なのはおにぎりプレート。

おにぎりを自分流にカスタムできるのが大きな特徴です。

お米の量から、具まで組み合わせ自由です。具も1つとは限らず、色々な具材を合わせて注文可能です。常連さんは辛みそにツナでピリ辛ツナにしてみるなど、2,3種類の食材を組み合わせてバリエーション豊かに注文して下さっています。テイクアウトは出来ているものになりますが、イートインはその場で注文を受けた後に握ります。

こういった工夫がお客様にも喜んでいただけますし、単価UPにも繋がります。このご時世、どうしても値上げをしなければならない場面が多くありますが、ただ値上げするだけではお客様も離れていってしまいます。そこで、ちょっと工夫して、選ぶ喜びなど付加価値をつけることで、お客様の満足度もあげていくことができるかと思います。

とにかく、お客様に楽しんでもらえる、飽きさせない工夫は常々していく必要があると考えています。

[画像:おにぎりプレート]

 

今回は、「おにぎり茶屋ちかちゃん」についてお伺いしました。

レストランやカフェを検討している方々のお役に立ちましたら幸いです。

次回はついに最終回、6次産業化を進める中での心得についてお伝えいたします。


【インタビュー企業関連HP】

仙台イーストカントリー:https://www.sendaieast.jp/

おにぎり茶屋ちかちゃん:https://www.pref.miyagi.jp/site/sdgt/noa5-chikchan.html

MYみそワークショップ:https://sendai-nogyo-engei-center.jp/event/entry/254/

(2025年開催日程は全て定員に達しました)

 

【第2弾】仙台イーストカントリーに学ぶ、大人気ワークショップの秘訣

【インタビュー企業】

会社名 農事組合法人仙台イーストカントリー
所在地 宮城県仙台市若林区荒井字神屋敷224
設立 平成20年1月15日
代表者名 佐々木 均
構成員 役員12名、理事10名、パート15名(2018年12月現在)
HP https://www.sendaieast.jp/

 

はじめに

仙台イーストカントリーは令和5年みやぎ6次産業化リノベーション支援事業に参加した企業の1つです。震災により津波被害を受けた農地を引き受け、仙台平野の水田を復興させ、安心安全なお米や農産物を育て上げています。また、育てたお米を使った農家レストラン「おにぎり茶屋ちかちゃん」を運営や、神屋敷地域で培われてきた味噌づくりを体験できる「みそづくりワークショップ」を開催など、6次産業化を目指す企業の手本となる企業です。今回は【第1弾】に引き続き、仙台イーストカントリー 理事 佐々木こづ恵氏に、大人気「みそづくりワークショップ」についてお聞きしました。予約がなかなか取れない本イベント、開催きっかけや工夫していることに関してお伝えいたします。

公開予定日

【第一弾】 仙台イーストカントリーに学ぶ、支援事業効果 (2025年2月27日)

【第二弾】 仙台イーストカントリーに学ぶ、大人気ワークショップの秘訣(2025年3月1日)

【第三弾】 仙台イーストカントリーに学ぶ、農家レストランのはじまり(2025年3月3日)

【第四弾】 仙台イーストカントリーに学ぶ、6次産業化はじめの一歩(2025年3月5日)

MYみそワークショップ

  • MYみそワークショップを始めたきっかけは?

元々、仙台イーストカントリーがある、神屋敷という地域は手作りの味噌が有名な地域です。仙台イーストカントリーが管理している蔵では「神屋敷仕込み味噌クラブ」が仕込んだ味噌樽が貯蔵されています。神屋敷という地域は、東日本大震災による津波で多くの家屋で床上浸水という被害がありました。蔵も床上浸水しましたが、奇跡的に味噌樽は倒れずに無事残り、販売することができました。しかし、売上は激減してしまい、生産を維持できないレベルになりました。このままでは味噌事業が続けられなくなる。手作り味噌が終わってしまう。そう考えて、少しでも味噌のおいしさを、手作りの良さを発信出来たらと思い、ワークショップを始めました。また、お客様に手作り味噌の知識を伝えていくことで、お客様に安心安全に楽しんで食べてもらえるようになったらと考えていました。ワークショップが非常に好評で、味噌の売上は震災前の8割まで戻ってきました。

[画像:手作り味噌作成の様子]

 

  • どういった方が参加していますか?

参加者の皆さんの年齢層はバラバラです。子連れの方もいらっしゃいますし、夫婦でお越しくださる方もいます。40~50代の主婦の方が多いですが、最近は男性の方も増えてきています。

また、8割はリピーターさんです。結構なリピート率で、第1回開催前に今年分の予約はほぼ埋まってしまいます。

[画像:ワークショップの様子]

 

  • ワークショップではどういったことをしますか?

ゆでた豆と麹を用意しております。そこで、豆をつぶして、麹と合わせて味噌玉を作るといった仕込み作業をしてもらいます。味噌として完成するのでは早くて11月頃。最低でも10カ月ほど熟成させる必要があります。そのため、家に持ち帰って、家のシンク下や押し入れの中などで育ててもらいます。材料は同じですが、育てる環境・発酵の状況が異なりますので、皆さんもMYみそを楽しんでもらうことができます。

当日、スタッフは各テーブルを回りながら、指導しています。リピーターの方も多いので、去年の味噌はどうでしたか?などコミュニケーションを取りながら進めていきます。

また、コロナ前はワークショップ内でお食事タイムもありました。おにぎりと豚汁を食べながら質問形式で座談会というのも行っていました。コロナ後はお土産を持って帰る形式に変更し、みんなでの食事はなくなってしまいましたが、質問会は継続しています。

参加者とのこまめなコミュニケーションがリピートにも繋がっているのかなと思います。

[画像:手作りみそキット]

  • 開催する際に大切にしていることは?

味噌が出来上がって食べるのは1年後。食べたときにはじめて美味しいと感じてもらえます。そのため、ワークショップの中ではとにかく来るお客様に楽しんで帰ってほしい。味噌づくりやこのワークショップ自体を楽しんでもらえたらと思っています。

 

今回は大人気、MYみそワークショップについてお伺いしました。

次回は農家レストラン「おにぎり茶屋ちかちゃん」についてお伝えいたします。


【インタビュー企業関連HP】

仙台イーストカントリー:https://www.sendaieast.jp/

おにぎり茶屋ちかちゃん:https://www.pref.miyagi.jp/site/sdgt/noa5-chikchan.html

MYみそワークショップ:https://sendai-nogyo-engei-center.jp/event/entry/254/

(2025年開催日程は全て定員に達しました)

 

ECサイト売上アップにつながる 分析手法とポイントとは

はじめに

オンラインショッピングが普及した今、ECサイト運営は重要なビジネス活動の一つです。しかし、ただサイトを公開・運営するだけでは顧客のニーズに応えきれず、売上の向上も見込めません。そこで重要となるのが、ECサイトの継続的な分析です。本稿では、ECサイトの分析についてその目的やメリット、指標となるデータと分析ツール、そして取り組みやすくするためのポイントについて紹介します。

ECサイトの分析とは?

ECサイトの分析とは、サイトに訪れた人数やその属性・行動データを収集し、現状を把握するプロセスです。

この分析から得られる情報には、サイトを訪れた人の数や、流入元(SNS経由か、Google・Yahoo!などの検索結果からかなど)、最も閲覧されているページや購入率、どのぐらいサイトに滞在していたのかなどの多岐にわたる多くのデータが含まれます。

これらのデータを分析することで、「集客が足りない」「商品ページをさらに魅力的にして購入率を向上させる必要がある」といった、売上アップや顧客満足度に関する課題や目標をより明確にすることができます。

まずは現状把握から

ECサイトの分析において最初に行うべきは、現状の把握です。

例えば日々のアクセス数が少ないのであれば、メルマガを配信するなどアクセスを増やすための施策を行います。一方で、アクセス数が多いのに売上に結びついていない場合は、商品写真や説明文の変更を検討するなど購入率改善につながる施策を検討します。このように現在売上が伸びない理由は何か、まずはその手がかりを探ります。

以下は分析データを見る際、特に大事な指標となります。これらのシンプルなデータからでもショップの特徴を知ることができ、課題を見つけるヒントは沢山あります。

▼ ECサイト分析で見るべき代表的な指標

・売上や客単価(どのぐらい売れているのか?)

・アクセス数(どのぐらいの訪問者がアクセスしているのか?)

・流入経路(どこからサイトに来ているのか?)

・コンバージョン率・購入率(どれくらいの人が購入しているのか?)

・直帰率(アクセスした人のイメージに沿ったサイトになっているかの指標)

同時に次の数式を用いて具体的な目標を設定してみましょう。一定期間ごとに確認することで実施した改善策の効果を知る目安としても活用できます。

 

アクセス数 × コンバージョン(購入)率(%)× 客単価 = 対象期間の売上総額

それぞれの数値を向上させるためには次のような施策が一般的です。

「アクセス数」向上には、SNSや広告配信を使った集客施策が効果的です。「コンバージョン(購入)率」向上には、商品画像や説明文の改善などユーザー目線での対策が必要です。「客単価」向上には、訪問者に高単価商品や関連商品への誘導を促す施策や改善が求められます。

例えば、1週間のアクセス数が月間1,000ユーザー、購入率が3%、客単価が3,500円の場合、1週間の売上は105,000円となります。ここで仮にアクセス数が2倍の2,000ユーザーに増加すれば、単純に売上も倍増します。一方、アクセス数は変わらず商品ページを改善して購入率が5%に上がった場合、売上は175,000円に増加します。もちろん、客単価が上昇すれば、売上も同時に増加します。

全ての指標に対しての対策を一度に行うと何か効果的だったのかが不明瞭になるため、優先順位と期間を決めて最も売上アップに直結しそうな指標を絞ってみるということも効果的でしょう。上記数式による指標はシンプルではありますがサイトの特徴や自社サイトの現在地を知るにはとても有効です。

まずはこの指標データを定期的に確認することから取り組めば、運営しているECサイトの課題を含めた特徴を把握しやすいでしょう。

ECサイトの分析のやり方・手順

ECサイトのデータ分析は、以下4つの手順が一般的です。ここでは、それぞれの手順について解説します。

①目的と課題の設定

はじめに運営しているECサイトの特徴や性質を理解した上で、分析の目的を設定します。「集客が不足している」「商品ページでの離脱率が高い」「SNSからの流入を増やす」など、最初に達成したい目標や解決したい課題を具体的に決めることで、沢山の視点がある中でどのデータに注目したら良いかを明確にすることができます。

②データの収集と解析

アクセス数、滞在時間、コンバージョン率など、目的に沿って必要なデータを収集します。収集したデータを解析し、パフォーマンスの評価や改善点の特定を行います。

「集客が不足している」という課題を解決したい場合には現状の定常的なアクセス数とその経路の内訳に注目してみるなど、関連のあるデータを指標にするということがポイントです。

③改善策の実践

分析結果に基づき、仮説を立てて具体的な改善策を実施します。

例えば、データから新規購入率が高くリピーターに繋がらないショップは、既存顧客へのアプローチが「売上向上」のための改善策として検討できるでしょう。

その後、既存顧客へのメルマガ送付や、商品配送後のフォローメール徹底などリピーターにつながる改善策を具体化して実行していきます。

④効果の評価

改善策を行ったら終わりではありません。その後データ分析を行い、施策の実践前後で課題であった「集客」と「売上」にどのような変化があったのかを分析し、その施作は有効なのかどうかを検証します。

例えばアクセス数は上がったが購入には至らなかった場合は、商品ページの情報が不足していたのではないかなど、実施結果からまた新しい課題やヒントが生まれます。

このようにECサイトの改善は、①〜④のサイクルを繰り返しながらより改善できる案を検討し実行し続けるフローが大切です。

初めから予想通りの結果にならなくても、トライ&エラーを繰り返すうちに正しい改善の方向がわかり確実に課題解決に近づきます。大切なのは、改善策の効果を常にデータで評価し、その結果に基づいて次のステップを計画することです。

失敗から学び成功につなげるプロセスは、ECサイトの成長には欠かせません。

無料で使えるおすすめのECサイト分析ツール

ECサイトの分析には、様々なツールが利用できます。ここでは、無料で使えるおすすめのツールを紹介します。

①Googleアナリティクス

Googleが提供する無料のアクセス解析ツールで、ECサイトの訪問者数、流入経路、アクセス数、ユーザーの滞在時間、コンバージョン率など、さまざまなデータを取得できます。

計測したいウェブサイトをGoogleアナリティクスに登録することで、データ計測を開始できます。Googleアナリティクスの設定や利用方法に関する書籍やブログ記事も多く、カートシステムごとにマニュアルが整備されていることも多いため導入のしやすさも特徴です。(ただし、より詳細で高度なデータ解析を行う場合は、継続的な学習が必須となります)

②Googleサーチコンソール

Googleアナリティクスは主にウェブサイト訪問後のユーザー行動を分析しますが、Googleサーチコンソールは検索キーワードや掲載順位など、訪問者がウェブサイトに訪れる前のデータを取得し分析するツールです。

GoogleアナリティクスとGoogleサーチコンソールの両ツールを併用することで、訪問者の流入前からサイト内での行動、さらには最終的なコンバージョンまでの流れを包括的に理解することができます。

ECサイト分析に取り組みやすくなるポイント

分析と聞くと難しいと感じる方もいるかもしれませんが、まずは日々のアクセス数をモニターするなど継続できることから始めてみることが大切です。

例えば、突然アクセス数が増加し売上も向上した場合、商品に関連するキーワードがテレビなどのメディアで取り上げられていたといった予想外の外的要因が影響していることがよくあります。そのアクセス数の増加があったタイミングを手がかりに、さらに分析や調査を進めることで、「なぜ売れたのか」という理由を明らかにし、それを今後の戦略に活かすことが可能です。

このように、「なぜ売れたのか」という売上が好調な理由を不明確なままにするのではなく、通常とは異なる動きに敏感に反応できることこそが非常に重要なポイントです。

ECサイトの分析やデータを見ることに慣れるには、「定期的にデータを見る」ことに取り組んでみてください。まずは1週間に1回で構いません。難しく考えすぎず、継続できることを前提に取り組みやすい方法から始めるだけでも売上向上のヒントや課題を見つけることができるでしょう。


【コラム執筆者】

YAGUI  伊藤 忍

●YAGUI ONLINE

https://www.yagui.jp/

企業・ショップが始めるべき代表的なSNSの種類と運用のポイント

はじめに

現代のビジネスにおいて、ソーシャルメディアは不可欠なツールとなっています。多くの企業やショップは、SNSを活用することでブランドの知名度を高め、顧客との関係を深め売上向上を実現しています。本稿では、企業・ショップが始めるべき代表的なSNSの種類と、その運用のポイントについて紹介します。

SNS運用のメリット

SNSは不特定多数のユーザーにアプローチができ、利用者同士の情報共有からさらに広範囲なリーチが期待できるという大きなメリットが特徴です。

そのS N Sを企業やショップが活用しユーザーと交流することで、次のようなメリットを期待できます。

  • 商品・サービスの認知度向上
  • ブランディングの強化
  • 企業イメージの改善
  • ファンの獲得 など

SNS運用のデメリット

このようにSNS運用には多くのメリットがありますが、当然ながらデメリットも存在します。トラブルを避けるためには、メリットだけでなくデメリットについても理解をして運用を行う必要があります。

デメリット①:運用に時間と労力がかかる

気軽に始められるSNSですが運用を継続することは簡単ではありません。運用を始めてすぐに成果が出ることは難しく、長期継続的な戦略と運用が求められます。

特に、企業のブランドを背負って発信する内容については、画像などの素材のクオリティーを保ちつつ、表現が正確であるか、誤解を招く文章になっていないかなども慎重に確認して運用する必要があります。

デメリット②:炎上のリスクがある

SNS運用において最も大きなデメリットは、炎上のリスクがあることです。不特定多数の人々の目に触れるということは、さまざまな背景を持つ個人と接触することを意味します。予想外の層にもアプローチしてしまうため、通常の広報活動よりも慎重に情報を発信する必要があります。

SNS運用を開始する前に決定すべき事項

SNS運用を開始する前にはできるだけ具体的に「目的」「ターゲット」「使用するSNS」「運用戦略」「運用マニュアル」を決めておくことが大切です。

まずは、SNS運用の「目的」を明確に定義します。目的が曖昧であると、運用に一貫性が欠け、ユーザーにもその不明瞭さが伝わってしまいますので必ず設定しましょう。

次に、目的を達成するためにどの層を「ターゲット」に設定するかを決め、ターゲットに最適なSNSを選びます。SNSにはそれぞれ異なる特徴があり、ユーザーの年齢層や利用目的も多様です。たとえば、中高年やシニア向けの商品をPRする場合、シニアユーザーが少ないInstagramでは期待する効果を得るのは難しいでしょう。このように、各SNSのユーザーの年齢や特性に基づいて「使用するS N S」を選択します。

その後は「運用戦略」を立てて実行に移します。運用自体は策定した「運用マニュアル」に従います。運用に関するルールや基準が不明確であると、担当者によって素材やテキスト、顧客対応の質にばらつきが生じたり、意図しない対応が原因で炎上するリスクも高まります。一定の品質を維持しリスクを回避するためにも、あらかじめ運用マニュアルを策定し担当者内での周知を徹底しましょう。

以下6項目がマニュアルに含まれていれば、担当者が複数人いる場合でもスムーズな運用ができるようになるでしょう。ぜひ参考にマニュアルを整備してみてください。

①投稿テーマ

②トンマナや言葉遣い

③ 投稿頻度

④ 投稿前のチェックフロー

⑤ 誤投稿やクレーム時の対応

⑥ コメントへの返信有無や対応

各種SNSの特徴

「SNS運用」と一口に言っても、その特徴やユーザー層は様々です。販売する商品やサービスに合ったものを選ぶためにも、それぞれの概要や特徴を把握し適切なSNSを活用しましょう。

①Facebook
幅広い世代に支持されているプラットフォームです。特に30代以上のユーザーが多く、ビジネスページやグループ、イベントなど多様な機能を提供しています。実名登録が原則となっているSNSであることが、最大の特徴です。

この実名登録により、広告配信時のユーザーターゲティングの精度が非常に高いというメリットがあります。Facebook広告では、社長や役職者に特化した広告配信が可能であり、特定のターゲットに対して効果的にアプローチすることができます。

②Instagram
ビジュアルコンテンツに特化したSNSです。特に若年層やミレニアル世代に人気があります。写真、動画、ストーリーズ、リールなど、さまざまな形式での投稿が可能です。テキストよりも写真や動画を重視することで、ユーザーの関心を引きつけたり、ブランドイメージを視覚的に強化したい場合に最適なSNSです。

③X(旧Twitter)
短文投稿に特化したリアルタイムの情報発信やニュース共有が得意なSNSです。幅広い年齢層のユーザーが利用しており、「今」起きている出来事を投稿することで話題になりやすく拡散力が高いSNSです。

④YouTube
世界で最も人気のある動画配信プラットフォームです。商品に関する使い方やレビューを動画でわかりやすく説明できるため、実際に商品を手に取らなくてもその魅力をリアルに伝えることができるという利点があります。

⑤LINE
日本で最も多く使われているコミュニケーションツールであり、個人間の連絡やグループ内でのやり取りに広く活用されています。ユーザー層は多様な年代で構成されており、LINE公式アカウントを運用することで、さまざまなターゲットに情報を発信したり、コミュニケーションを図ることができるメリットがあります。

しかし、LINEユーザーに友だちを追加してもらわない限り、アプローチすることはできません。そのため、まだ十分な友だち登録数がない運営初期には、思ったような効果が得られない可能性があります。そのためInstagramやTwitterなど他のSNSを活用して認知度を向上させたり、イベントやキャンペーンなどオフラインでも友だち追加を促進する施策を実施することも検討が必要です。

友だち登録数を増やさない限り、LINEを運用している効果を実感することは難しいため、十分な注意が必要です。

⑥TikTok
15秒から30秒の短い動画コンテンツが特徴のSNSです。音声や音楽に合わせたダンスなど、視覚と聴覚に訴える投稿に最適です。拡散力も非常に高く、短い動画の中でユーザーの興味をどれだけ引けるかが成功のカギとなります。

 

ポイントと注意点に留意してS N Sを活用する

 

今回は企業・ショップが始めるべき代表的なSNSの種類と運用のポイントについて紹介をいたしました。

SNSの活用によって、企業はユーザーとの直接的なコミュニケーションが容易になり、ブランドの認知度を高め、信頼関係を築くことがこれまで以上に簡単になりました。また、ダイレクトメッセージやコメントを通じて、ユーザーからリアルタイムでフィードバックを受け取り、それを迅速に商品やサービスの向上に活かすことができるのも大きなメリットです。しかし、SNSは常に変化し続けるプラットフォームであるため、最新のトレンドやアルゴリズムの変更に注意を払い、適切に対応することも必要です。

トレンドを追いつつも、企業の価値観やメッセージを一貫して伝えることも忘れずに、SNS運用を楽しみつつビジネスの拡大に活用してください。


【コラム執筆者】

YAGUI  伊藤 忍

●YAGUI ONLINE

https://www.yagui.jp/

【第1弾】仙台イーストカントリーに学ぶ、支援事業効果

【インタビュー企業】

会社名 農事組合法人仙台イーストカントリー
所在地 宮城県仙台市若林区荒井字神屋敷224
設立 平成20年1月15日
代表者名 佐々木 均
構成員 役員12名、理事10名、パート15名(2018年12月現在)
HP https://www.sendaieast.jp/

 

はじめに

仙台イーストカントリーは令和5年みやぎ6次産業化リノベーション支援事業に参加した企業の1つです。震災により津波被害を受けた農地を引き受け、仙台平野の水田を復興させ、安心安全なお米や農産物を育て上げています。また、育てたお米を使った農家レストラン「おにぎり茶屋ちかちゃん」を運営や、神屋敷地域で培われてきた味噌づくりを体験できる「みそづくりワークショップ」を開催など、6次産業化を目指す企業の手本となる企業です。今回は理事を務めていらっしゃる佐々木こづ恵氏に様々な質問をしてきましたので、全4回にわたって紹介して参ります。

公開予定日

【第一弾】 仙台イーストカントリーに学ぶ、支援事業効果 (2025年2月27日)

【第二弾】 仙台イーストカントリーに学ぶ、大人気ワークショップの秘訣(2025年3月1日)

【第三弾】 仙台イーストカントリーに学ぶ、農家レストランのはじまり(2025年3月3日)

【第四弾】 仙台イーストカントリーに学ぶ、6次産業化はじめの一歩(2025年3月5日)

みやぎ6次産業化リノベーション支援事業

  • 支援事業へ参加したきっかけは何ですか?

これまで色々なことを私一人で決めてしまっていたので、今回はスタッフと一緒に連携して新しい「糀のワークショップ」を始めようと思い参加を決めました。計画立案から実践までスタッフを巻き込んでやってみたいという思いと、私自身のスキルアップも兼ねて挑戦してみました。

元々、みそづくりワークショップは例年人気のイベントとなっていて、毎回定員オーバーです。毎年来てくださるお客様も多く、お知らせするとすぐに予約が埋まってしまいます。開催回数を増やしたいですが、味噌づくりは冬の時期にしかできません。そこで、夏にも何かイベントが出来ないかと考え、味噌と関連の深い糀を選びました。たまたま麹の機械を導入したタイミングでもあったので、機械を年間通して稼働させていきたいという思いもありました。

[画像:糀ワークショップテスト開催の様子]

 

  • 実際に支援事業に参加してみてどうでしたか?

最終的に作成していただいた年間計画をスケジュール通りに進め、糀ワークショップのテスト開催も無事終了しました。順調に糀ワークショップの準備を社員みんなで一致団結しながら進めています。

支援事業に参加中は月に1回集まって会議をするという流れでしたが、それがルーティン化され、今でも月に1度会議を続けています。最初は会議が億劫な時もありましたが、習慣になってきたので、糀ワークショップのこと以外もみんなで集まって意見交換する良い時間になりました。会議の時にはランチ会として、麹を使ったレシピを試作してみんなで食べたり、それをInstagramに上げたりと交流の場にもなっています。普段互いに思っていても言えなかったことを話すこともでき、何か不満の声が上がったときには、それを改善したり、出来ない事はなぜ出来ないのか説明したりと互いの気づきの時間にもなっています。プロジェクトに対してはネガティブな意見はなく、社員のみんなも楽しそうにディスカッションしていました。

[画像上: 糀を使用した試食用漬物]

[画像下: 麹を使用して作った甘酒]

 

今回はみやぎ6次産業化の支援事業に参加したきっかけや効果についてお話しいただきました。

次回は、大人気みそづくりワークショップについてお伝えいたします!

 


【インタビュー企業関連HP】

仙台イーストカントリー:https://www.sendaieast.jp/

おにぎり茶屋ちかちゃん:https://www.pref.miyagi.jp/site/sdgt/noa5-chikchan.html

MYみそワークショップ:https://sendai-nogyo-engei-center.jp/event/entry/254/

(2025年開催日程は全て定員に達しました)